今回読んだ藤沢周平先生の作品は、『よろすや平四郎活人剣』!
旗本の四男坊(末っ子)、神谷平四郎が主人公の作品です。
よろずや平四郎活人剣 posted by (C)rekishigasuki
平四郎は、同情仲間である明石半太夫に誘われて、北見十蔵との三人で道場の共同経営に乗り出す。
しかし道場開設間近に迫ったある日、明石半太夫は開設資金を持って夜逃げしてしまう。
実家に帰れば食うには困らないが、部屋住み(次男以降の冷や飯食い)である平四郎は、実家に帰っても鼻ツマミ者。
末っ子で妾の子である平四郎に対し、実家の人間(嫂以外)は冷たいのだ。
そんな中で思い付いたのが、「よろずもめごと仲裁」の商売。
離縁話や喧嘩、盗人との交渉を仲裁することによって口銭を稼ぎ、実家から自立する道を選ぶ。
初めは怪しんで誰も寄りつかなかったが、仲裁を重ねるに付け評判が高まり、何とか食うに困らない程度にはなる。
そんな「よろず屋商売」の仲裁話を本軸に、長兄の神谷監物と鳥居耀蔵の天保の改革・蛮社の獄を背景にした対立。
平四郎の元許嫁の探索などなど、色々な話が絡みながら、平四郎の生き抜く様が描かれている。
平四郎は道場の次席を勤めるほどの剣の腕前なのに、仲裁は口上での解決を旨とします。
その駆け引きが結構笑えます。
そして無頼漢が相手の場合は、剣を使っての解決も行います。
その戦いのシーンも見応えがあって、色々な楽しめ方ができる作品です。
時代小説に必要な要素が存分に詰まっています!
今回は上巻だけでしたので、下巻を読むのが今から楽しみです!!
【よろずや平四郎活人剣】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%88%E3%82%8D%E3%81%9A%E3%82%84%E5%B9%B3%E5%9B%9B%E9%83%8E%E6%B4%BB%E4%BA%BA%E5%89%A3ト